明快◎けいざいニュース

定型封書など郵便料金値上げへ

  • けんた
  • 熱血先生
  • しょうこ

しょうこ

お正月には郵便局の配達員さんが、年賀状の配達に忙しそうでした。今年、郵便料金は値上げされるようですね。

熱血先生

そのようだね。202312月に、総務省が料金引き上げの案を情報通信行政・郵政行政審議会に諮問した。25グラム以下の定形の郵便封書について、料金の上限額を、現在の84円から110円に引き上げるというものだね。はがきも今の63円から85円になる見込みだよ。その他、定形外の郵便も3割ほど上げるようだ。

けんた

84円が110円になるのか。大幅な値上げですね。

熱血先生

値上げが実現すれば、定形封書は、消費税の増税の時を除いて1994年以来、30年ぶりのこととなる。はがきは7年ぶりだよ。あと、今回は値上げに加えて、重さに応じて分けている定形封書の2つの料金区分を統一する方向なんだって。これまで、25グラム超50グラム以下の定形封書の料金は94円だったけど、これも25グラム以下と同じく110円にして金額を統一する。

しょうこ

値上げについては、身の回りでも食料品や電車、バス代など、いろいろなものの値段が上がっているから、仕方ない気がします。

熱血先生

総務省の資料によると、郵便物は過去20年のうちに45%も減ったみたいだよ。最近はインターネットを使った通信手段が普及して、個人も企業も、郵便を使う人が少なくなったからだろうね。この減少は今後も続いて、2028年度には、ピークだった2001年度の半分以下まで減少すると見込まれているんだ。

けんた

確かに、お父さんが「年々、我が家に届く年賀状が減っているな」と話していました。

熱血先生

僕のところもそうだよ。そうして郵便の需要が減る一方で、最近は原燃料や人件費も上昇している。だから、日本郵便は、20233月期に郵便事業の収支が、2007年に郵政民営化後、初めての赤字となった。そうした背景があって、いよいよ値上げに踏み切る方針のようだ。

しょうこ

いつから値上げが実施される予定なのですか?

熱血先生

審議会は2024年の春に最終判断して、実施されるのは秋以降としている。ただ、総務省の説明では、今回の値上げの幅は、郵便事業を黒字にできる最小限の水準らしい。だから、25年は黒字化できる計算なんだけど、その翌年26年には、再び赤字になると見込んでいる。場合によっては、また値上げする可能性もあるようだ。

けんた

そうなると、ますます利用する人が減ってしまうかもしれないなぁ。

熱血先生

そうだね。そのため日本郵便では郵便料金を値上げする一方で、営業費用の削減や郵便の利用拡大に向けた取り組みも行っているようだ。それにインターネットを使った連絡が主流になったとはいえ、郵便が必要な場面もある。親しい人から手紙や年賀状が届くのはうれしいものだしね。今後の郵便事業がどうなっていくか、注意して見ていきたいね。

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