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企業が行う株式分割とは?

  • けんた
  • 熱血先生
  • しょうこ

しょうこ

最近、「株式分割」を行う企業が増えていると聞きました。

熱血先生

株式分割とは、その名の通り会社が発行する株式を分割することだよ。例えば、1株を2株に分割する場合は、これまで1株だった株式が、2株に増えることになる。

けんた

株式数が増えるのですか?うちのお父さんはA社株を100株持っているようですが、株式分割が行われたら保有株数が増えて、お金も増えるということですか?

熱血先生

あはは、そうなったら嬉しいよね。でも残念ながら、A社株が分割されたとしても、お父さんの持つA社株全体の価値は変わらないんだよ。例えばA社株の株価が2,000円だとして、1株を2株に分割することになったとしよう。その場合、分割後の1株の価値は分割前の2分の1に、つまり1,000円になるんだよ。

けんた

そうか。お父さんはA社株を100株持っているから、株価が2,000円なら全体の価値は20万円。株式分割で株数が200株に増えても、その時は1株の価値が1,000円に半減するから、やっぱりお父さんが持っているA社株全体の価値は20万円ということになりますね。

熱血先生

そのとおりだ。

しょうこ

では、どうして企業は株式分割を行うのでしょうか。

熱血先生

株式分割をすると最低投資金額が下がるから、その株式を買おうという人にはぐっと買いやすくなるメリットがある。株式投資で売買を行う際、100株など、売買できる最低単位が決まっていて、それを単元というよ。先程のA社株を例にだすと、A社株の単元が100株で株価が2,000円なら、A社株を買うのに最低20万円必要になる。でも、株式分割で株価が1,000円に下がれば、1単元の100株を買うためには10万円あれば足りることになるね。

しょうこ

最低投資金額が20万円から10万円に下がれば、これまで買いたくても買えなかった人が買えるようになるかもしれませんね。

熱血先生

そうだね。それに企業にとってもより多くの人に株式を買ってもらえるようになれば、将来の株価上昇も期待できるよね。企業の成長にもつながるし、自分たちの事業を知ってもらう機会も増える。このように投資家と企業の両方にメリットがあると思うよ。だから、2024年から大幅に拡充されるNISA(少額投資非課税制度)を通じて、自分の会社の株をたくさんの人に買ってほしいという目的で、ここのところ株式分割をする企業は増えている。

しょうこ

よく分かりました。

熱血先生

あと、東京証券取引所が昨年2022年秋に、最低投資金額について「50万円未満が望ましい」という水準を提示している。これに対応した形で分割に踏み切るケースも多いんじゃないかな。例えば今年、「東京ディズニーリゾート」を運営しているオリエンタルランドは1株を5株に分割したよ。そのおかげで、これまで最低でも投資に200万円以上必要だったところが、分割後は50万円前後から買えるようになったんだ。

けんた

それは良いことですね。

熱血先生

株式分割で最低投資金額が下がって買いやすくなったことで株主が増えれば、企業にとっては嬉しい反面で事務作業が増えることになる。そうしたデメリットもあるのだけど、それでも僕は「多くの投資家にとって買いやすくなる」というのは、とても良いことだと思うな。

しょうこ

私たちも買いやすい方が嬉しいですね。

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