明快◎けいざいニュース

2022年4月から成人になる年齢が20歳から18歳に引き下げ

  • けんた
  • 熱血先生
  • しょうこ

しょうこ

先日、テレビで成人式の様子が報道されていました。2022年の4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられるのですね。なぜ、引き下げられるのでしょうか?

熱血先生

世界を見渡せば、アメリカやイギリス、ドイツ、オーストラリアなど、諸外国では18歳を成年としている国はけっこうあるし、この流れは世界的な流れともいえるんだ。若い人たちにも積極的に社会参加をしてほしい、という期待があるようだ。

しょうこ

多くの国では18歳が成年となっているのですね。

熱血先生

日本でも、国民投票の投票権年齢や選挙権年齢などが18歳と定められるなど、18歳、19歳の若者にも国政上の重要な事項の判断に参加してもらうための政策が進められてきたね。こうした流れを踏まえて、18歳以上の人を大人として扱うこととされたんだ。

けんた

成人になるということは、社会的に大人と認められることですよね。未成年だった時と比べてどんな違いが出てくるのでしょう?

熱血先生

民法では、成年に達することには、大きく2つの意味があるよ。1つめは、「父母の親権に服さなくなる」ことだね。例えば、自分の住む場所や、進学・就職などの進路を自分の意思で決定できるようになる。他には、財産管理を自分で行うことができるようになるね。

けんた

財産の管理、責任を持って管理することが僕にできるかなぁ......。

熱血先生

2つめは、「一人で契約をすることができる」というものだよ。未成年者の契約には親の同意が必要だったけど、それはいらなくなる。例えば、携帯電話の契約や、一人で暮らすための部屋を借りることも、ローンを組んだりクレジットカードを作ったりすることも、親の同意なしでできるようになるね。あとは、証券会社で自分名義の口座を開設して、株式や投資信託を自分の意志で売買することができるよ。

しょうこ

なるほど、自由にいろいろできるようになるのですね。でも、自分に不利な契約や不要な契約を結んでしまった場合はどうなりますか。

熱血先生

これまでは、未成年者が親の同意を得ずに何かの契約をした場合、「後でやめたい」と思った時には、民法が定める「未成年者取消権」によって、一方的にその契約を取り消すことができたんだ。でも成年になってからは、契約当事者間の合意によって解約はできるが、この取消権は使えなくなるので、一方的に「やっぱりやめた」は通らなくなる。

けんた

18歳の成人になったらいろいろできるようになる反面、責任も重くなりますね......。

熱血先生

そのとおりだよ。自分自身で契約を結ぶことの意味や責任を考えて、契約内容をよく確認して慎重に判断しないといけなくなるよ。

しょうこ

確かにそうですね。

熱血先生

財産の管理も、やるからにはしっかり行う必要がある。例えば、株式を買った場合には、その後に株価が下がって損失が発生することもある。その時は、自分の損として受け入れなければならないから、購入前に、投資のルールやリスクをよく認識しておかないといけないね。自分の財産状況や、今後の収支なども見通して、じっくり検討することが大事だよ。ちなみに、新成人は、契約に関する知識や経験が乏しいこともあり、悪質な業者に狙われ消費者トラブルに巻き込まれることがあるようだ。「絶対に儲かる」などのうまい話や借金やクレジット契約の勧め、高額のエステティックサービスなど、まずは契約する前によく考え、儲け話をうのみにしない、契約をせかされたらきっぱり断るなどの注意が必要だ。困ったときは消費者センターに相談することも覚えておこう。

けんた

分かりました。十分に注意しないといけませんね。

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