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良いインフレ、悪いインフレとは?

2021/11/29
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 しょうこ:最近、生活に必要な様々なものが値上がりしているようです。物の値段が上がるのは、インフレなんでしょうか?

 熱血先生:確かに、ガソリン価格とか、食品ではパン、マーガリン、砂糖など、生活用品の値上がりが目立ってきたね。インフレとは、「インフレーション」の略語で、物やサービスの値段が全体的にかつ継続的に上がり続けることを言うよ。

 けんた:インフレは、デフレ、つまり物などの値段が下がり続けるデフレーションの反対ですね。

 熱血先生: そうだね。今は、2020年より続いてきたコロナ禍から世界中の需要が急回復したことを背景に、様々な原材料価格の高騰が物の値段の上昇を引き起こしている様子だね。先日、アメリカの物価上昇の様子を示す「消費者物価指数(CPI)」で、今年6月の状況をまとめたものによると、上昇率が前年同月比5.4%となって、約13年ぶりの高水準となった。

 けんた:インフレになると、経済には悪影響なのでしょうか?

 熱血先生:そうとは限らない。インフレを引き起こす要因はいくつかあるんだけど、主に考えられるのが「需要が供給を上回る」状況になることだ。「需要>供給」という関係になると供給が不足して「高くても買ってもらえる」ことから物の値段が上がり、品物やサービスを提供する企業の売り上げアップにつながる。そうなれば、企業で働く人の給料が増えて、結局は消費が活発になることが期待できるよ。消費が活発になれば、さらに「需要>供給」の関係が増していって値段が上がる。これが循環していき、好景気の状態が続くことを「良いインフレ」と言われているよ。

 しょうこ:なるほど。

 熱血先生:ただし、物の値段が上がるスピードが速すぎたり、給与上昇につながらない状況だったりすると、消費者の財布のひもが固くなって、経済活動が停滞してしまう。そうなると、望ましくない「悪いインフレ」に向かってしまうことがある。それから、インフレになるとその国の通貨の価値が下がり、輸入コストが上がることで、さらなる物価上昇を引き起こす可能性もあるという考えもあるよ。

 けんた:日本は今、どんな状況なんでしょうか?

 熱血先生:値上げしている商品は一部だけで、全体的には広がっていないという見方が主流のようだ。通常の考え方だと、インフレの進行が急激な場合は、物価の安定を図る日本銀行が政策金利を引き上げて経済の過熱を抑えるけど、政策金利の動向は経済に影響を与えるから慎重な判断が必要になる。

 けんた:インフレもデフレも、具体的な対策をいつ、どうとるかの見極めは難しいですね。

 熱血先生:日本をはじめ、世界の物価上昇が一時的なものなのか、構造的に進むものなのか、これから注意していかなければいけない。コロナ禍で落ち込んでいた消費は持ち直しがみられるけど、一方で、人手不足や、前回の海運の記事で紹介したような運賃の上昇という供給側の問題も物価上昇につながっているようだ。さっき話した「良いインフレ」のサイクルがうまく回るように、適切なかじ取りができるかに注目していきたいね。

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