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海運業とその活況について

2021/10/29
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 けんた:お母さんが、「今年は海運業の活況が目立った」と話していました。

 熱血先生:今年は、特に夏から秋にかけて、株式市場で海運業の株価が大きく上がったこともあって、注目を集めているよ。僕も興味をもって調べてみたんだけど、海運は、僕らの生活に大きく関わる、大事な産業なんだよね。

 しょうこ:船で荷物や人々を運ぶお仕事ですね。

 熱血先生:海運は、一度に大量の貨物を輸送できることから国際貿易において欠かせない輸送手段だ。例えば、僕らが普段食べるお肉や果物などの食料品、衣料品、家具や雑貨、電化製品、さらにはエネルギー源である石油、石炭、天然ガスといった化石燃料など、海外からの輸入品の多くが船によって運ばれているんだ。そして、日本の貿易量の99.6%を海上輸送が占めるとされている。

 しょうこ:そんなにたくさん!

 熱血先生:船は、飛行機などの他の輸送手段と比較して重量と距離当たりの輸送コストが格段に安いんだ。だから、特に大量の品物や長距離での輸送を行う場合には重宝されているよ。近年、国内輸送では、ドライバーの高齢化や人手不足が問題となっていて、その対応策として、貨物車を丸ごと載せて長距離輸送を行うフェリーなどの役割が大きくなっているそうだ。

 けんた:海運業の活況の理由は何ですか?

 熱血先生:一時コロナ禍で、人や物の行き来などの経済活動が停滞していた時期が続いたけど、足元では、世界的な経済活動の回復の流れで、海運全般の需要が高まっていることが理由の1つだね。今年の春先にはスエズ運河で日本の会社が所有する大型コンテナ船が座礁して、物流が滞ってしまうというアクシデントが注目を集めたけど、この停滞も需要の増加に拍車をかけたようだ。

 けんた:需要が拡大すれば、運賃も上がる、会社の収益も増えるということですね。

 熱血先生:特に今年の夏以降に海運関連の株価が上がったのは、需要拡大で好業績が見込めることから、配当を多く出すことを発表した会社が出てきたことや、バルチック海運指数といって、海運業の業況を知る指数が、夏に大きく上昇したことも背景にあるようだね。バルチック海運指数というのは、穀物や鉱石、石炭など、梱包されていないバラ積み荷物を運ぶ貨物船の賃料を指数化したものだよ。

 しょうこ:海運業そのものの活況は長く続くのでしょうか?

 熱血先生:長い潮流では、今後も世界の人口増に連れて、海上での荷動き量は増加していくようだ。ただし、短期的に見ると、世界景気の様々な影響を受けやすくて不安定な面もある。
大きな船は造るのに時間がかかるから、どうしても運ぶ荷物が多いのに船が足りない状況に陥るケースも発生してしまう。そうなると運賃は高騰してしまうよね。でも反対に荷物運搬量が停滞する時期に造った船が余ると運賃は下落してしまう。

 けんた:そうなると業績は不安定になってしまいますね。

 熱血先生:あと、運賃の変動は僕らの生活にも影響していて、海上輸送の運賃が上昇したことにより、運ばれてくる生活必需品が値上がりしているんだ。もちろん食料品など、運賃上昇だけじゃなく原材料の高騰のあおりを受けているケースもあるんだけどね。

 しょうこ:そういえばお父さんが、生活用品が値上がりしてるって困ってました。

 熱血先生:景気が良くなって物の動きも活発化すれば、日本の様々な会社の儲けも大きくなって、その結果、お給料アップが期待できる。生活用品が上がっても、それを上回る給与アップにつながるような経済の好調を期待したいところだね。

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