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「水素」への期待

2021/05/25
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 しょうこ:最近、新聞などで「水素」とか「水素社会」という言葉をよく目にします。どんな点が注目されているのですか?

 熱血先生:以前にも「ESG」「SDGs」「パリ協定」の話をしたけど、背景としては、今、地球温暖化を食い止めるために、世界中で環境問題に取り組み、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を減らそうという努力を進めていることがある。その中で、実現に向けた鍵となるのが水素なんだ。

 けんた:水素を使った「水素エネルギー」は、二酸化炭素を排出しないエネルギーと聞きました。

 熱血先生:そのとおりだね。僕たちが生活で必要としている熱や電気を作り出すために、従来から石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料が役立てられているんだけど、これらは燃焼させると二酸化炭素を発生させてしまうんだ。一方で水素は、やっぱり燃焼させることで熱や電気を発生させることができるんだけど、この時二酸化炭素が全く発生しないのが特徴だよ。あと、エネルギー効率が良いことも評価されている。だから、液化した水素はロケットの燃料にも使われているそうだよ。

 しょうこ:二酸化炭素を排出しないということは、温暖化防止に貢献できるということですね。

 熱血先生:そうなんだ。特に「電気・ガス」「製造」「運輸」の産業部門においては、現状では工場や設備などを稼働する際に二酸化炭素をたくさん排出してしまう。だけど、水素を活用すればその排出を大幅に防ぐことができて、温暖化防止の強い味方になるよね。

 しょうこ:だから世界的に関心が高まっているんですね。

 熱血先生:ほかにも化石燃料などは、自給率が低いことが日本の課題となっていたけど、これを補う意味でも注目されているよ。資源エネルギー庁のウェブサイトの記述によると、日本のエネルギー資源の自給率は6~7%程度しかなくて、大半を中東地域など海外からの輸入に頼っていることが分かる。

 けんた:エネルギーは僕らの生活に欠かせないものだから、自給率が少ないと不安ですね。

 熱血先生:だから、少しでも国内で調達したり、様々なエネルギー資源を活用したり、その輸入先もいろんなところに分散させたりしていくことが求められている。

 しょうこ:そういう観点では、水素の活用は、とても意義のあることなのですね。今後、どんな風に使われることが期待されているのですか?

 熱血先生:まずは、さっき挙げた「運輸」の部分だね。燃料電池自動車や燃料電池バスへの利用があるよ。車体に搭載される「燃料電池」では水素を使い電気を作って、その力で車を動かすんだ。あとは、家庭用の燃料電池として「エネファーム」というものがあるんだけど、これもガスから水素を取り出して、酸素と化学反応を起こして電気を作り出し、その時生まれる熱も利用する仕組みだよ。

 しょうこ:それは便利ですね。

 熱血先生:一般家庭では、25%の省エネルギーと40%の二酸化炭素排出削減ができるということと、販売がスタートした2009年から比べると導入費用も安くなっていることから、普及も進んでいるみたいだ。こうした燃料電池システムの導入は、世界的に進められている動きで、政府も積極的に推し進めようと、家庭や産業向けに補助金の支給もされているよ。

 けんた:最近、温暖化対策について何かと話題になるけど、水素社会実現に向けた取組みも進められているんですね。家計の出費も抑えながら貢献できるなら一石二鳥だし、今後も普及が進んで欲しいです。

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