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ハイパーインフレとデノミネーション

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 しょうこ:ちょっと前にニュースでベネズエラのインフレ(インフレーション)が深刻だと聞きました。一体、どんな状況なのでしょう?

 熱血先生:ベネズエラは南米のブラジルの少し北側にある国だけど、「ハイパーインフレ」に陥っているようだ。インフレは通貨の価値が下がって物の値段が上がり続ける状態を示すけど、ハイパーインフレは名前の通りもっと強烈な速度でインフレが進むことを指すよ。
アメリカの経済学者フィリップ・ケーガンによる定義では「インフレ率が毎月50%を超えること」とされている。国際会計基準では「3年間で累積100%以上の物価上昇」する状態と定められているようだよ。

 けんた:物の値段がどんどん上がるって、ただでさえ大変だと思うのだけど、それがもっと勢いを増すんですね。それは本当に非常事態だなあ。

 熱血先生:ベネズエラの議会からは、2018年の物価上昇率が年率換算で169万8488%だったと発表があったようだ。

 けんた:えっ、そんなに? 

 しょうこ:「上昇率100%」だと物価は2倍になる計算ですが……。それをもっともっと上回る水準で急拡大したことになりますね。なんだか値が大きすぎて見当もつかないです。

 熱血先生:本当だね。物価上昇が止まらない状態はまだ沈静化しておらず、国際通貨基金(IMF)は、2019年中にインフレ率が年率1000万%に達すると予測しているよ。

 けんた:そんなに急激に物価が上がると、人々の生活はどうなってしまうんだろう。

 熱血先生:ベネズエラ国内では物資が不足して、市内のスーパーには十分に商品が無い状況が続いているようだ。仮に商品があったとしても、短期間で物価が上がってしまうようでは必要なものがすぐに手に入らないよね。銀行に行っても、紙幣の印刷が間に合わず、お金を引き出すのも難しい状況のようなんだ。

 しょうこ:なぜそんなに急速なインフレに陥っているのでしょう?

 熱血先生:ベネズエラはもともと世界最大の石油埋蔵国で、国の収入の多くは石油の輸出に頼っていたんだよ。でも14年から15年にかけて世界的に原油価格が大きく下落することになり、これで一気に国の財政が悪化してしまったんだ。その後、政府のとった政策もうまくいっておらず、現在も財政悪化が改善する兆しは見えていないよ。

 しょうこ:それは本当に深刻ですね。

 熱血先生:ハイパーインフレが起こった場合は、経済の立て直しを図ってデノミ(デノミネーション)を行うことが多いよ。デノミが行われれば、通貨の使い勝手がよくなって日常生活の不便が解消されることにもつながるね。ベネズエラは昨年8月に通貨の単位を5ケタも切り下げる対策をとったんだよ。

 けんた:日本でも、こうしたハイパーインフレになる可能性はあるのでしょうか?

 熱血先生:今のところ年率2%のインフレ目標を達成していない日本では可能性は低いと考えられているけれど、どの国でも起こる可能性が全くないとは言えないよ。ただ、日本は世界的にみても経済力は比較的高水準にあるし、国内の貯蓄額も多い。海外に出るお金と国内に入ってくるお金の総計を示す経常収支も黒字で、海外の借り入れに頼らなければいけないというような状況ではないからね。もちろん、これから先も円の信用が損なわれないように努力していく必要はあるけれどね。

 しょうこ:なるほど。でも世界の中で、そんな強烈なインフレに悩まされている国があるとは、やはり心配ですね。

 熱血先生:うん。解決にはまだ時間がかかりそうだ。近隣諸国などにできるだけ悪影響なく収拾できるよう、世界で対策を考えながら見守っていかないといけない問題だね。

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