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トルコ・リラが急落

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 けんた:「トルコ・リラ」という通貨の価値が下落しているという話を聞きました。何が起こったのでしょうか?

 熱血先生:トルコ・リラはその名の通り、トルコ共和国で使われている通貨だね。まず、これまでの背景から話していこうか。国ごとに使われている通貨の価値はそれぞれ違うのが通常なんだけど、もともとリラは他国に比べて下落傾向ではあったんだ。

 しょうこ:それはどうしてなんでしょうか?

 熱血先生:海外への投資や貿易で利益を受け取ったりすることで、国が海外から受け取る所得から、海外に支払う所得を差し引いたものを「経常収支」というんだけど、これが赤字の場合は「経常赤字」という状態になるよ。経常赤字になる国の通貨の価値は下がりやすいんだけど、元々トルコは生産活動が輸入に依存していて貿易収支の赤字が続いていることなどから大幅な経常赤字国なんだ。まずこれが要因の一つだね。

 けんた:なるほど。

 熱血先生:そしてもう一つの要因がインフレだ。インフレになるとモノの値段は上がり、通貨の価値は下がることは「まなぼう!金融経済」の「金融の基礎知識」でも勉強したね。トルコではここ数年インフレが進んでいるんだよ。

 けんた:それはどうしてですか?

 熱血先生:トルコのエルドアン大統領は経済成長が減速してしまうことを心配して、低金利政策を進めると同時に大規模なインフラ投資を行って経済成長を高める政策をとってきたからなんだ。インフラ投資というのは、道路、鉄道、空港とか、人々の社会生活に使われる比較的大きな施設への投資だね。この政策でトルコの経済は好景気にはなったんだけど、結果的にインフレが一層進んでトルコ・リラが下がっていったんだ。

 けんた:そうだったんですね。

 熱血先生:本来、金利政策を決める中央銀行は中立でないといけないんだけど、大統領は利上げに反対して圧力をかけるなどといった中央銀行の中立性を奪うような行動をとったこともあって、世界の金融市場ではこれを心配してトルコ・リラを売る人が増えて、よけいに急落する事態となってしまった。

 しょうこ:なるほど。

 熱血先生:これらの要素に加えて、この夏、アメリカとの関係悪化も急落を後押しすることになってしまったんだ。

 しょうこ:いろいろな要素が重なり合ってしまったんですね。日本や世界経済に影響はないのですか?

 熱血先生:各国の金融機関にとってはトルコに融資している金額はそれほど大きいものではないから、世界的な金融の大混乱はなさそうだと見られているけど、油断はできないよ。これからもあまりにも大きな下落が急激に起こると、金融関係者をはじめ、世界の人々の不安感が大きくなって経済や株式市場に悪影響が出ることが心配されている。

 けんた:不安定な状況が落ち着くといいですね。

 熱血先生:そうだね。大きく下落したトルコ・リラの価値が今後上がっていくためには、まず、トルコの中央銀行がインフレを抑える利上げ政策が行われる必要がある。そして、アメリカとの関係を改善させることが求められているよ。

 しょうこ:深刻なことにならないといいですね。今後の動向に注目しましょう。

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