明快◎けいざいニュース

TPPなど経済連携協定の動き

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けんた:以前、太平洋を取り囲む国家間で貿易などの経済活動を協力していくTPP(環太平洋経済連携協定)や、オーストラリアとのEPA(経済連携協定)のことについて教えていただきました。この秋、このTPPや、ほかにも経済協定の重要な会議がいくつか開催されたようですね。

熱血先生:よくニュースを見て勉強しているね。11月にはTPPの参加11カ国による閣僚会合がベトナムで行われて、新たな協定とされる「TPP11」の内容で大筋合意することが決まったよ。このほか、同じ時期にアジアを中心とした太平洋地域の21の国で構成されるAPEC(アジア太平洋経済協力)や、東南アジア10カ国で構成されるASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳会議が開かれたんだ。日本からは安倍首相が出席して各国と関係を強化して協力していく姿勢を見せていたね。

しょうこ:国家間の経済協定というのはたくさんあるのですね。それぞれどんな違いがあるのでしょうか?

熱血先生:大まかには、参加国の地域が比較的近隣に固まっていたりとか、広範囲などにわたっていたりとか、そんな風に捉えると分かりやすいね。図に示したようにTPPは日本を含め、アジア、南アメリカ、オーストラリアとかのオセアニアなどの国が含まれて、名前の通り太平洋を囲んだ比較的広い地域で構成されてる。お互いの国で貿易をする際の関税をなくして、自由貿易を進めていこうという趣旨だよね。

しょうこ:はい、そうですね。

熱血先生:対してASEANは東南アジア地域に絞られた地域連合体だね。ヨーロッパにEU(欧州連合)があるけど、これに似た感じで、この地域の中で協力して経済発展させていこうという考え方の枠組みだよ。日本は構成国ではないけれど、このASEANと40年以上にわたって協力関係を築いてきていて、ビジネスパートナーとしても親密な関係を維持しているよ。

しょうこ:協力関係の歴史は長いのですね。

熱血先生:APECは、TPP参加国にASEANの一部、そして中国、韓国、ロシアなどを含んだ比較的大きな枠組みだよ。ただ、これは多国間で経済協力を進めるための非公式なフォーラム、つまり参加国同士での話し合いの場みたいな位置づけだから、全体でルールを守らなきゃいけないなどという強制力はないようだ。この点は、決議を遵守する必要があるTPPやASEANと違うね。

けんた:ところで、先ほどTPPは新協定とされる「TPP11」の内容で大筋合意したと教えていただきましたが、これは大きな前進なのでしょうか?

熱血先生:そう思うよ。当初、経済大国のアメリカを含めた9カ国でスタートしたTPPだったけど、今年17年1月にアメリカでトランプ大統領が新任して以降、アメリカがTPP離脱を宣言して当初のプラン通りにはいかなくなってしまった。それで、約1年かけて新協定を立て直して、その成果が表れてきたことは大きいんじゃないかな。日本に関連する部分では、自動車などの工業品の輸出が盛んになるよう後押しがある一方で、ワインや肉など暮らしに身近な商品が安くなる恩恵が期待できるみたいだよ。

しょうこ:それは良かったですね。それしても、アメリカが離脱したことで何か影響はあるのでしょうか?

熱血先生:何といっても当初の枠組みの中で最大の経済大国が抜けたわけだからね。大きな貿易相手との自由貿易が叶わなければ、その分のメリットはなくなってしまうよね。

けんた:そう考えると、アメリカの離脱は残念な出来事ですね。

熱血先生:そうだね。でも報道を見聞きする範囲では、まだアメリカのTPP復帰にも期待をかけている様子だよ。今後の調整次第だし時間もかかると思うけど、最終的には日本や参加国に、より多くのメリットがある着地になるのを願っているよ。

しょうこ:いろいろな国と、さまざまな経済協力のしかたがあるんですね。いずれにしても日本を含め国家間の話し合いがうまくまとまって、私たちの暮らしが良くなっていくといいですね。

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