明快◎けいざいニュース

OPECが8年ぶりに原油の生産を減らす方針

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けんた:このあいだテレビでOPECが原油の生産を減らすとニュースになっていました。授業で習いましたが、OPECは「Organization of the Petroleum Exporting(石油輸出国機構)」の略で、中東などの原油産油国14カ国によって構成されているんですよね。

熱血先生:よく覚えていたね。OPECは世界の原油生産量の4割近くを占めていて、加盟する産油国全体でどれくらいの原油を生産するかを話し合って決めているんだ。今回、原油の生産量を8年ぶりに減らす合意がなされたよ。

けんた:生産を減らすと、どんな影響があるのでしょう?

熱血先生:供給を減らせば原油の価格は上がるだろうね。原油は石油の原料でもあるから、自動車のガソリンや、電気・ガス料金も上がるかもしれないね。

けんた:ガソリン価格が上がったら、車を運転する人たちは困るんじゃないかな?

熱血先生:確かに家計にとっては、ガソリン価格などが上がるのは痛手だね。だけどOPECが原油の供給を減らさないと、世界の原油価格は下がったままで、世界経済にはマイナス要素にもなってしまうんだよ。世界の原油価格の代表的な指標とされる「WTI原油の先物価格」は2年前は1ドル100バレル前後だったんだけど、価格が急激に下がって2016年2月には一時、1ドル26バレル台にまで下がってしまったんだ。

しょうこ:2年で4分の1とは、大きな下落ですね。

熱血先生:原油価格が下がると産油国の利益は減るからこれらの国々の景気は悪化する。そうすると世界の金融市場に不安感が広がりやすくなって、世界の株価も下落しやすくなるね。結果的に、日本経済に悪影響を及ぼすことが考えられるよ。あと、原油価格が下がり続けることで、物の値段が下がり続けるデフレ経済に陥る心配もある。デフレが続くと経済活動の元気がなくなってしまうから、これは避けたいよね。

しょうこ:それにしても、なぜ原油価格はここまで下がってしまったのですか?

熱血先生:世界全体で原油を使う量に比べて、供給される量がかなり多くなったからだよ。これまでたくさん原油を使っていた中国では、景気が活発でなくなったことで以前ほど使う量が減ってしまった。一方でアメリカでは2000年ごろから地中深くにある原油(シェールオイル)を掘る技術が発達し始めて、近年は安く大量の原油が掘り出せるようになった。それで生産される原油の量はぐっと増えているんだよ。

けんた:8年ぶりの減産とのことですが、もっと早く生産量を調節すればよかったのでは?

熱血先生:確かにそうだね。でもOPEC側は、アメリカに「お客さんを奪われたくない」という思惑があって、減産せずにいたんだよ。中東の産油国が中心となるOPECが生産量を減らすと、反対にアメリカやロシアなどOPEC以外の産油国が生産量を増やして勢力を拡大させるだろうからね。だからOPEC側は負けないよう、原油価格が下がっても増産を続けたんだ。

けんた:原油価格が下がればOPEC自身も困るだろうけど、ガマンしてたのか……。

熱血先生:そうだね。アメリカのシェールオイルよりもOPECで生産する原油の方が安ければお客さんは奪われない。そうやって踏ん張りながら、アメリカでシェールオイルを掘る業者が採算割れで事業から撤退するのを待っていたんだよ。だけど、今度は反対に原油価格が安くなりすぎて、OPEC加盟国の中でも経済状態が苦しいところがいくつも出てきた。それでついに減産に踏み切ったということさ。

しょうこ:原油価格やライバルの動きを見ながら生産量を調節しているのですね。今後も注意して見ていく必要がありそうですね。

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