] 金融経済ナビ:アニメやマンガの影響による地域活性化に期待

明快◎けいざいニュース

アニメやマンガの影響による地域活性化に期待

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けんた:クラスメイトの田中君、この間観たアニメーション映画の舞台のモデルになった岐阜県の飛騨高山に興味を持ったみたいです。観光を兼ねて実際に行ってみて、すごく楽しかったと話してました。

熱血先生:飛騨高山は映画の人気も影響して、訪れる人たちが急増したというニュースを先生も聞いたよ。映画に出てきたシーンと同じ構図で写真を撮ったり、映画の登場人物が劇中で食べた地元の名物を食べたりしていくファンも多いようだね。今回の飛騨高山だけでなく、ここ数年、アニメ・マンガ・映画などの中で物語の舞台になった場所やゆかりの地に訪れようという人は増えているようだ。最近はこうした場所を巡り歩くことを、「聖地巡礼」と言っているみたいだよ。

しょうこ:面白い呼び方ですね。

熱血先生:聖地巡礼とは、もともと宗教上の重要な意味を持つ場所、つまり「聖地」に信者が赴くことを言うんだけど、アニメなどのファンにとっても物語の舞台になった場所などに、憧れみたいな気持ちが生まれるんだろうね。

しょうこ:感動的なシーンや、きれいな映像とともに出てきた場面には自分も行ってみたい気がします。

熱血先生:こうしたアニメなどのファンによる聖地巡礼の動きが特に目立ち始めたのは、埼玉県久喜市の鷲宮神社に訪れる人が急増したことがきっかけとも言われているよ。この神社がモデルとなって登場するアニメが放映される以前の2007年は、正月三ガ日の初詣客は13万人だったのに、2008年は30万人に急増、2011年には47万人にも上ったとされている。

しょうこ:そんなに人気が出たのですね。

熱血先生:地域に与える経済効果も大きくて、一説には、来訪者の増加や地域のお店の売り上げアップによる経済効果は20~30億円という試算があるようだ。アニメの中には地方の街並みや神社仏閣、文化施設などが多く出てきて、これらのスポットを巡る動きは地方活性化にもつながると期待されているよ。

けんた:なるほど、そういうメリットがあるのかぁ。

熱血先生:それに、聖地巡礼にやってくるファンは、外国人も多いようなんだ。だから、すでに有名な観光地だけでなく、地方を中心としたスポットが新たに注目されて訪れる人が増えることは、地元はもちろん、日本全体の経済の活性化にいい影響があると考えられているね。

しょうこ:これまで知られていなかった地域が有名になっていくのはいいことですね。

熱血先生:書籍の発行や映画製作などを手掛けるKADOKAWAという会社は、9月に旅行会社のJTBや日本航空と共同で、アニメにちなんだ観光誘致活動を行う一般社団法人として「アニメツーリズム協会」という組織を設立したようだ。今後、アニメの舞台になったことでファンが多い国内88のスポットを「アニメ聖地」として選び、観光誘致のために様々な取り組みをしていくみたいだよ。

けんた:そんな動きがあるのですね。

熱血先生:協会では今後、観光立国を掲げる政府とも協力して、88カ所の聖地をつないだ広域の周遊ルートを作る計画もあるんだって。

しょうこ:うわぁ、楽しそう。海外の人たちもたくさん訪れてくれるといいですね。

熱血先生:ただ、問題もあるよ。これまで人が少なかった静かな場所に、わっと人が押し寄せ騒がしくなったことで近隣から苦情がでる例も目立ち始めている。何かルールのようなものも必要になるだろうし、観光客は節度ある行動をとって「聖地」の環境を悪化させない努力も求められるね。

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