明快◎けいざいニュース

「パナマ文書」でタックスヘイブンへの議論が高まる

イメージ

しょうこ:昨日お父さんが、「“税金を少なく納めているかも”って疑われている人たちのリスト」のことが話題になっていると教えてくれました。

熱血先生:「パナマ文書」のことだね。南アメリカの方にあるケイマン諸島というところに、パナマという国があるのだけど、この国の、ある法律事務所の扱う膨大なデータが流出してしまったことがきっかけで注目を集めているよ。

しょうこ:そのデータの中に、税金を少なく納めているかもしれない人の名前があるのですか?

熱血先生:もちろんその人たちが皆、そうとは限らないんだけど、世界中の政治家や経営者、お金持ちの名前がたくさんリストに載っているようだね。これがもとになって、「タックスヘイブン」の存在についていろいろな議論が起こり始めているよ。

けんた:タックスヘイブン?

熱血先生:タックスは「税」、ヘイブンは「避難所」を表す英語だよ。企業や個人は、仕事をしたりして儲けを出した場合に、税金を払わなくちゃいけないのは知ってるよね。でも、税金を計算するときの税率は、国によって違っていて、中には税率がすごく低い国や、全く税金がかからない国もある。こうした国を「タックスヘイブン」って呼んでいるんだ。さっき話した「パナマ文書」のパナマも、タックスヘイブンの1つだね。

けんた:税の避難所、つまり「税金から逃れる」っていう意味ですね。実際にそういう国を使って、税金を少なく納めている人がいるのですか?

熱血先生:そこが今、注目される点だね。「パナマ文書」には、税の避難所である、タックスヘイブンに会社を作っている人たちの名前が載っているとされている。タックスヘイブンに作られた会社の中には「ペーパーカンパニー」と呼ばれる、実際に活動していない、単に名前だけの会社がいくつもあるようなんだ。本来は、事業や投資活動を行う国で税金を払うべきなのに、「税金の少ない国にペーパーカンパニーを作って、そこに利益を移して払う税金を減らしているのでは」と問題視されているんだよ。

しょうこ:お父さんも「自分はちゃんと税金を納めているのに、少なく納税している人がいるとすれば、それはずるい」と怒っていました。

熱血先生:先生も同じ気持ちだよ。本来日本で儲けを出して、日本で税金を払うべき人が、タックスヘイブンを利用すると、日本の税収は少なくなってしまう。そうしたら、日本国民の負担が膨らむ可能性もあるよね。

けんた:それは困りますね。でも、会社ってそんなに簡単に作れるのですか?

熱血先生:そのようだね。タックスヘイブンと呼ばれる国では、会社設立の手続きが簡単だったり、設立に伴う規制が緩かったりするようだよ。こうした国は、資源や産業が乏しくて、あまり財政が豊かでないケースがほとんどなんだ。だから外国から少しでも多くの会社を呼び込もうと考えて、会社設立の手続きも簡単にしてくれているんだよね。そうして、より多くの税金収入を得たり、会社を作る際に発生する手数料や関連の収入を得たりすることで、国を豊かにしようとしているんだよ。

けんた:なるほど。

熱血先生:あと、自分の国に会社を作ってくれる「お客さん」を喜ばせようと、しっかり秘密も守るようにしてくれるのもポイントだよ。ペーパーカンパニーの実態は外部には明らかにはされにくい状態なんだ。だから現状では、誰が税金逃れしているかは、はっきりとは断定しにくいんだよ。

けんた:実際に会社としての活動がないのに、儲けが出ているように見せているとすれば、やっぱりずるい感じがしますね。ちゃんと税金を払っている人が怒るのは無理もないことです。

熱血先生:そうだね。こうしたタックスヘイブンの仕組みが現状のままでよいのか、これまで以上に議論は高まっていくと思うよ。

イメージ