明快◎けいざいニュース

4月から電力自由化がスタート

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しょうこ:2016年4月から「電力の自由化」が始まると聞きました。

熱血先生:そうだね。これまでは、その地域にある電力会社からしか電力を買うことができなかった。例えば東京都に住む人なら東京電力だね。でも、電力の自由化で、僕たち消費者は様々な会社が供給する電力の中から好きなものを選べるようになるんだよ。

けんた:具体的にどう変わるのでしょうか。

熱血先生:大きく変わるのは、電力会社によって供給される電気が家庭に届くまでの「発電、送配電、小売り」の流れだね。今までは、発電してから家庭に提供するまでを、その地域にある1つの電力会社が一貫して担ってきた。つまりこれまで電力の小売りは発電と送配電が一体となっていたのだけれど、それぞれが分離することになったんだ。それで、新規の会社が電力の供給者として参入できるように変わったのさ。

けんた:だからいろいろな料金面でのサービスを選べるのですね?

熱血先生:うん。つまり東京都に住む人は東京電力の送電線を通して、東京電力以外の他の地域の電力会社や、新規参入企業が扱う電力も選択できることになるんだ。

しょうこ:新規参入企業とは、例えばどんなところでしょう?

熱血先生:ガス会社や旅行会社、通信会社など、電力会社以外のたくさんの企業が新たに参入しているよ。

けんた:僕たちにはどんなメリットがあるのでしょう?

熱血先生:これまで各地域で1社によって独占されていた電力の供給にライバルが増えることになる。だから参入企業は電力料金を下げたり、魅力的なプランを提示したりして、自分たちのサービスを選んでもらおうと工夫を始めているよ。僕たちは選択肢が広がることで、電力料金を節約したり、お得なサービスを利用したりできるね。また、自由化によって開拓される市場規模は8兆円と公表されていて、多くの企業にビジネスチャンスが生まれることになる。経済の活性化につながることが期待されているよ。

しょうこ:今までどうして自由化されてなかったのでしょう?

熱血先生:いろいろ理由はあったと思うけど、これまでは「安定的に電力を供給すること」が優先されていたようだ。電力供給が自由競争にさらされると、お客さんをより多く獲得しようとして気を取られ、本来必要とされる電力の供給に力が入らなくなることが心配されていたんじゃないかな。まずは政府主導で発電所をしっかり作って、それを安定稼働させることが大事だと考えられていたためだと思うよ。

しょうこ:なるほど。

熱血先生:実は大きな工場や百貨店など法人向けには、震災以前から電力自由化が始まっていたよ。でも、2011年の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故で電力供給が不安定になり、電力価格が上昇する事態に見舞われた。それを機に、従来の制度を見直すことが一層求められたんだ。そしてようやく一般消費者までも対象にした「完全自由化」に至ったんだよ。

けんた:もっと前から自由化してほしかったですね。

熱血先生:そうだね。でも、メリットばかりではないという声もある。価格引き下げなどの競争に敗れ、倒産に追い込まれる企業も出るかもしれない。都市部の競争が盛んになる一方で、地方は競争が鈍化し、電気料金はむしろ高くなると心配する人もいるね。

けんた:いいことばかりではないのですね。

熱血先生:海外でもすでに電力自由化は進んでいるけど、トラブルもいくつかあったようだ。自由化を積極的に進めていたアメリカでは、2000年頃、カリフォルニア州で電力の卸売価格の急上昇を機に電力を小売りする会社の経営危機が引き起こり、結果的に大規模な電力危機に陥った例がある。その後、電力自由化を採用する州は限られ、現状では自由化は停滞気味だよ。日本はこうした海外の事例を研究しながら、うまく発展していくことが望まれるね。

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