明快◎けいざいニュース

為替制度の変動相場と固定相場

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けんた:世界的に株式相場が不安定な動きをしているようですね。どうしたのでしょう?

熱血先生:原因はいろいろあるんだけど、大きな心配事の1つは中国の景気の勢いが弱まっているということだね。つい先日、8月中旬に中国の通貨である人民元の為替レートの切り下げが行われて、世界の株価が大きく下落してしまった。それ以降、混乱はまだ収まっていない状況だ。

けんた:為替レートの切り下げ? 聞いたことがないですが、日本でも行われているのですか?

熱血先生:日本の場合は中国とは違う為替の仕組みになっているから、為替レートの切り下げはしていないね。

しょうこ:為替制度はどこの国も同じわけではないのですね……。

熱血先生:世界の為替制度は大きく2つに分かれていて、「変動相場制」と「固定相場制」があるんだよ。日本は前者の変動相場制で、2つの通貨を交換する時の比率を示す為替レートが市場の中で自然に決まる仕組みになっているよ。つまり、アメリカの通貨ドルと日本の円を交換する際、為替レートは、「円を買いたい」「ドルを買いたい」というそれぞれの需要の力関係で決まる。

しょうこ:円よりドルを買いたいという需要の方が多ければ「ドル高・円安」に進むと以前教えてもらったことがあります。

熱血先生:そういうことだね。変動相場は言葉の通り、自由に為替レートが変動していくものだよ。今は、主に日本をはじめ先進国はこの方式がとられているね。一方、為替レートが各通貨間で固定されているのが固定相場制だ。1ドル当たりいくら、というように、アメリカのドルに対して為替レートを一定に保つ「ドルペッグ制」や、複数の通貨の加重平均値と連動させる「通貨バスケット制」などがあるんだ。固定相場を採用するのは経済規模が小さい発展途上の国が多いね。

けんた:固定相場にするメリットは何でしょう?

熱血先生:経済規模が小さい国の通貨は取引量が少ないために、変動相場にするとレートの動きが激しくなる恐れがあるんだよ。あまりに不安定だと安心して貿易などができなくなるから、それを避けるために為替レートの変動を抑えているんだよ。

しょうこ:そういうことなのですね。

熱血先生:中国の場合、厳密には「管理変動相場制」というのを採用している。これは為替レートを完全に固定するのでなく、中央銀行や政府、いわゆる通貨当局というところが、通貨の売買を調節しながら、変動幅が一定の狭い範囲に収まるよう管理していく方法だ。

けんた:日本のような変動相場制とはかなり違うやり方ですね。

熱血先生:中国は「1ドル=約6.4元」というように、定めた基準値から上下2%以内の範囲でしかレートは動かない仕組みだよ。この基準値は通貨当局が決めて、毎日公表しているけど、8月の中旬には3日間で約4.6%も切り下げたんだ。もちろん原因はこれだけじゃないけど、この切り下げが、最近の世界の株式相場の混乱を招いた大きな要因の1つと言えるね。

しょうこ:中国はどうして人民元を切り下げたのでしょうか。

熱血先生:景気の減速が心配される中、自国の通貨の切り下げで景気の持ち直しを狙ったんじゃないかな。人民元の切り下げは、人民元の価値が海外の通貨に対して下がることを表すよ。日本に置き換えると「円安・ドル高」「円安・ユーロ高」になる状況だよね。主に海外に製品などを輸出して経済を発展させようという国にとっては、自国の通貨の価値が下がって、輸出先の通貨の価値が上がるほうが有利に働くんだ。

けんた:そういう意図があるのですね。

熱血先生:そうした状況で世界の株価が大幅下落した主な要因は、「中国の景気減速はそこまで深刻なのか」と事態を警戒する声が増えたことだと考えられている。あと、中国に影響されて、固定相場制や管理変動相場制を敷く他の国々が通貨の引き下げを行って、さらに市場の混乱を招くことも心配されている。もちろん悪い影響ばかりではないんだけど、しばらくは様子を注意深く見ていく必要がありそうだよ。

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