明快◎けいざいニュース

原油の大幅下落

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けんた:最近、お父さんがガソリンがすごく安くなっているって言ってました。どうしてなのでしょう?

熱血先生:去年の秋以降、ガソリンのもとになる原油の価格が下落しているからだよ。原油価格はちょうど去年の今ごろ(2014年1月頃)は1バレル100ドルくらいの水準だったけど、秋から急落して、今年に入って50ドルを割り込んでしまった。1バレルというのは原油を量るのに使われる単位で、約160リットルだよ。

けんた:100ドルが50ドルに? 半分の値段になっているんですね。

熱血先生:原油価格が下落したのは、原油の生産量が増える一方で、それを必要とする人や量が減ってしまったからなんだ。つまり、需要に対して供給が過剰になったということだよ。

しょうこ:原油が余っているということですね。

熱血先生:そうだね。要因としては、アメリカのシェールオイルの生産があるよ。アメリカでは技術革新により、安いコストでたくさんのオイルやガスが採掘できるようになって、原油の生産量が世界的に増えているんだ。だけどその一方で、中国などの新興国と呼ばれる国々の経済成長が、最近、少し足踏みしている状況になっているんだ。その影響で、工場などでの生産や人々の活動も活発でなくなり、必要とされる原油の量も減ってきているんだ。

けんた:じゃあ、生産を減らしてバランスをとればいいんじゃないですか?

熱血先生:確かにこれまでは、需要と供給のバランスが崩れて原油が余り出すと、価格が下がり過ぎないように生産の調整を行ってきたんだよ。そのような調整を行うのは中東やアフリカを中心とする産油国が集まって構成されている石油輸出国機構(OPEC)と呼ばれる組織だね。でも、去年の秋に行われたOPECの総会では「原油の生産を減らすのは見送る」ということになったんだ。だから、生産が多すぎる状況がまだまだ続くと見られて、原油価格の下落がさらに強まったんだよ。

けんた:そうなんですか。でもどうして生産を減らさないんだろう?

熱血先生:一言でいえば、OPEC諸国がシェールオイルを生産するアメリカに対抗したい意図があるようだね。これまで世界の原油生産の主役だったOPECにとっては、新たに大量の原油を生産する立場として勢いづいているアメリカは強力なライバルといった存在なんだ。アメリカのシェールオイルは、原油価格が高値で推移してきたので、開発が進んだけど、掘削の設備を整えるにはお金がかかる。だからあまりにも原油価格が下がり過ぎると、設備投資に見合うもうけが得られなくなってしまう。そうなると、事業が立ちいかなくなる生産業者が相次ぐという事態に追い込まれてしまうんだ。

しょうこ:そうやってライバルのアメリカとの競争に勝とうとするわけですね。でも、原油価格が下がり過ぎると、OPEC側のもうけも減ってしまうのではないですか?

熱血先生:もちろんそうだよ。経済的に余裕がある国はまだ耐えられるようだけど、実際、OPEC諸国の中には原油価格が下がって困っている国もある。こうした国の経済状況の悪化が、世界経済にも悪影響を及ぼすことを心配する声もあるね。原油価格が下がると「日本のような原油輸入国にとっては経済にプラス」という意見もあるけど、安心してばかりはいられないということだね。

けんた:なるほど。今後も注意深く動きを見て行かなければいけませんね。

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