明快◎けいざいニュース

春闘

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けんた:最近ニュースで「春闘」や「ベア」という言葉をよく聞きますが、何のことでしょうか?

熱血先生:まず、「春闘」というのは、新年度を迎える前の春の時期に、企業の従業員で構成される労働組合が「給料を上げてほしい」「育児や介護を行っている職員の労働時間を短くしてほしい」など、いろいろな労働条件についての要求を会社側に出して交渉することをいうんだ。

けんた:変わった呼び方をするんですね。

熱血先生:「春闘」は通称で、「春季生活闘争」を略した呼び方だよ。労働組合が生活向上を目指して行う、春の戦いといったところかな。1955年から始まったようだね。

しょうこ:長い歴史があるんですね、でも、どうして春に行うんですか?

熱血先生: 1~2月というのは、多くの企業が次の年度の予算案作りを行う時期なんだ。今年度の業績の見通しが明らかになってくるし、来期の売り上げ目標や支出の予算などを立てる際に、給料などの人件費をどうするかも考えなくてはならないから、従業員たちもその時期を狙って交渉をするんだよ。

けんた:今年はどんな結果が出たんですか?

熱血先生:各企業の労働組合をまとめる日本労働組合総連合会という組織があるんだけど、そこの第一次集計発表によると、企業側が応じた賃上げ額の平均は前年の同日時点と比べて22%のアップになったようだ。景気が上向きつつあって、企業の業績が良くなってきていることも、その背景にあるようだね。

けんた:22%も増えたんだ。それはよかったですね。

熱血先生:ちなみにこの賃上げ額は、定期昇給の額と「ベア」と呼ばれるベースアップの額の合計額を指すんだけど、特に注目されるのはベースアップがなされるかどうかなんだ。

しょうこ:定期昇給とベースアップってどう違うんですか?

熱血先生:。定期昇給は「勤続年数が増えればその分仕事のスキルも上がるだろう」という考えから、基本給が上がるというものだけど、「ベア」は基本給を計算する土台、つまりベースになる金額そのものが上がることをいうんだ。定期昇給は従業員の成長に対応する部分の金額の引き上げで、一方のベースアップは日本経済や企業の成長に対応するための基礎となる金額の部分の引き上げという意味があるね。

けんた:つまり、ベースアップがなされれば、基本給のベースとなる金額も上がるし、これに加えて勤続年数が増えた分の上昇分も増額されることになるんですね。

熱血先生:その通りだよ。だから労働組合側は単なる定期昇給だけにとどまらず、土台の金額となるベースアップも求めているんだ。
じつは、基本給を上げるベースアップのほかに、手当やボーナス(賞与)の金額を上げるボーナスアップという方法もある。でも、労働組合側はボーナスアップよりベースアップを希望しているよ。

しょうこ:ベースアップのほうが、メリットが大きいからですか?

熱血先生:そうだね。ボーナスは企業の業績に左右されるから、例え今回ボーナスが増えても、次はどうなるかわからないので、人々はなかなか安心できないようだ。これに対してべースアップは定期的にもらう給料が上がるから、将来の見通しも立てやすくなる。それで計画的に買い物もしやすくなって、結果的に景気もよくなると考えられているんだよ。

けんた:もっと大規模にベースアップを行う動きにならないのでしょうか?

熱血先生:企業にとっては、一度ベースアップをすると、残業代や退職金など将来にわたる賃金の引き上げにまでつながるから、企業の負担も大きくなってしまうんだ。だから簡単にはできないのが実情だね。今のところベースアップまでできるかどうかは、企業の体力により差があって、特に中小企業ではまだそこまで踏み切れないところも多いようだ。

しょうこ:4月からは消費税も上がるので、できるだけ多くの企業がベースアップできるといいですね。

けんた:ぼくの小遣いもベースアップしてもらうように交渉してみよう。

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