明快◎けいざいニュース

国際収支

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けんた:先日発表された国際収支で、経常収支が赤字になったと聞きました。

熱血先生:なかなか難しいニュースに目をつけたね。まず言葉の意味から押さえていこう。
収支というのは収入と支出のことを表すのだけど、「収支が赤字になった」というときは、一定の期間において収入より支出が上回る状態を表すよ。家計のやりくりもそうだし、企業でも、お金の出入りを管理しているね。同じように国全体でも、海外からお金がいくら入ってきて、反対にいくら出ていったのか管理している。これが国際収支だよ。

しょうこ:じゃあ、国の家計簿のようなものですね。

熱血先生:そのとおり。国際収支は大きく「経常収支」と「資本収支」に分かれているよ。
経常収支は、海外との物やサービスの取引や投資の状況を示す収支のことで、資本収支はお金そのものの取引の状況を示す収支のことだ。そして、経常収支は「貿易収支」、「サービス収支」、「所得収支」、「経常移転収支」の4つから成り立っているよ。今回、経常収支全体が赤字になったのは、貿易収支が赤字になったことが大きく影響しているんだ。

しょうこ:貿易収支というのは、どういったものですか?

熱血先生:貿易収支というのは、輸入金額と輸出金額の差額のことをいうよ。日本はこれまで貿易立国と言われて、製品を海外に輸出することで大きな利益を得ていたんだ。つまり黒字だったんだね。ところが2011年に31年ぶりに赤字に転じてしまった。
これは東日本大震災の影響で原子力発電所がストップして、原子力以外のエネルギーに頼らざるを得なくなったためなんだ。2011年以降、発電燃料の輸入量が増えたことや、昨今の円安によって輸入するときの価格が上がったことなどが今回赤字を大きくした原因と考えられているよ。

しょうこ:なるほど。

熱血先生:それから、日本企業は最近、海外に工場を作って現地生産を進めるところが増えている。だから国内から製品を輸出する量も以前に比べて減っていることも影響しているね。

けんた:輸入量が増えているのに対して、輸出量が減っているから赤字になってしまうのですね。

熱血先生:そういうことだね。これまでは貿易赤字の分を、所得収支などほかの収支で補っていたので、経常収支全体では黒字を保つことができたんだ。でも、この12月に発表された10月分では、結局、経常収支全体でも赤字になってしまったんだよ。

けんた:赤字と聞くと不安になりますが、何か影響はあるんでしょうか?

熱血先生:経常赤字になったからといって、すぐに大きな影響があるわけではなさそうだ。でも、赤字の状態が続くと、足りない分を海外のお金に頼らなくてはいけなくなるから、日本の金利が上がるかもしれないと言われている。そうすると、日本経済の成長に歯止めがかかる心配がでてくるね。

けんた:日本ではこれからどういう取り組みが必要になるのでしょうか?

熱血先生:今、日本は国債を大量に発行して、大きな借金を抱えている状態だね。現在は、借り入れは主に国内の資金で賄われている状況だけど、今後、海外の資金に頼る比率が大きくなれば、これまで以上に日本は借金を減らして財政を健全化させることが求められる。

けんた:なるほど。日本の景気が本格的に回復して、こうした問題を乗り越えられていくといいですね。

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