明快◎けいざいニュース

60歳以降の雇用義務付け、2013年からスタート

イメージ

しょうこ:「これからは60歳を過ぎても働く時代だ」と、父が話していました。60歳というと普通は会社を退職する年なんじゃないですか?

熱血先生:たしかにこれまでは「60歳になると定年を迎えて会社(以下、「企業」)を退職する」というのが一般的だった。だけど今年の夏に「高年齢者雇用安定法」が改正されて、企業は60歳の定年後もまだ働きたいという意欲がある人を、原則として、雇い続けなければならないことになったんだよ。

けんた:どうしてそのような改正が行われたのですか?

熱血先生:以前、「日本では働いて収入を得る若い世代の人口に対して、年金などで生活する高齢者の比率が増えている」という話をしたのを覚えているかな?

けんた:はい。このペースで行くと、2050年には、1人の若者が1人のお年寄りを支えなくてはいけない時代になるということでしたね。

熱血先生:高齢者が受け取る年金は、働く現役世代が支払う保険料を元手にして支給されているんだけど、高齢者が増えれば当然現役世代の負担は重くなるよね。だから、現役世代にこれ以上負担をかけないようにして年金制度がうまく運営されるように、年金を受け取れる年齢を少しずつ引き上げるようになったんだ。じつは来年2013年からは、しょうこちゃんのお父さんのような会社員の人が加入する、厚生年金の「報酬比例部分」という年金の中でも大きな部分を占める年金の支給が61歳からに引き上げられる。このため、これまでのように60歳で定年退職して収入がなくなってしまうと、61歳になって年金が支給されるまでの間に収入がない時期が1年間発生してしまうことになるんだよ。

しょうこ:だから、定年を過ぎても働けるように制度が改正されたのですね。

熱血先生:そうだね。年金の支給開始年齢はこれから段階的に引き上げられて、2025年には65歳にならないと年金はもらえなくなってしまう。だから、これに合わせて企業にも、雇用を継続させる年齢を引き上げることが求められたんだ。

けんた:そういう背景があるんですね。

熱血先生:ちなみに改正された法律に違反すると勧告を受け、厚生労働省の指導や助言に従わないと企業名が公表されるという厳しい義務付けになっているよ。

しょうこ:でも、働く側にとっては少しでも長く働ける環境が整っている方が安心ですよね。父もできるだけ長く働きたいようです。

熱血先生:そうだね。企業側も経験豊富なベテラン社員や指導者の役割を果たす人材を確保できるメリットはあるね。でも、反対に心配されていることもあるんだ。例えば、一般に企業で働く人たちの給料は、ベテラン社員のほうが若い社員より高いので、そういう人たちを雇うことで企業の費用負担が大きくなる。そうすると、若い社員の給料がなかなかアップしない可能性も出てくるよ。

しょうこ:確かにそうですね。

熱血先生:それに、企業は新しい社員を採用する余裕がなくなってしまうかもしれない。特に、大学や高校を卒業したばかりの新入社員の採用を絞り込む動きが出るのではないかと心配されているよ。だから、制度の長所を生かしながら、こうした問題点をカバーしていく取り組みが求められているのさ。

けんた:60歳以上の人たちも、若い人たちも、納得できるような工夫が必要なのですね。

イメージ