明快◎けいざいニュース

通貨ユーロが下落

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けんた:先日、ニュースで「円高ユーロ安が進んでいる」と言っていましたが、それはなぜですか? 日本にどんな影響があるんでしょうか?

熱血先生:確かに今、通貨ユーロの価値が、円やドルに対して下がっているね。まず、ユーロがどういうものか確認しておこう。ヨーロッパ地域では、欧州連合(EU)と呼ばれる地域統合体があるのだけど、ユーロとは、このEUに加盟している国のうち17カ国が導入している共通の通貨のことをいうんだ。

しょうこ:17カ国で同じ通貨を使っているんですよね!

熱血先生:そうだね。ところが今ヨーロッパでは、EUに加盟しているいくつかの国の財政状況が悪化していて問題となっている。この問題のきっかけになったのが2009年頃に、ギリシャの財務内容が危機的な状況であることが発覚したことなんだ。以前、国債の話をしたけど、ギリシャでは国債を買ってくれている投資家に、約束通りお金を返せないかもしれない状況になってしまったんだ。

けんた:それは大変なことですね。

熱血先生:このギリシャの問題がヨーロッパの他の国にも広がって、今ではポルトガル、イタリア、スペインも財政状況に問題があるとして、ヨーロッパはもちろん、世界中の不安の種になっているんだよ。このことが主な原因となって、ヨーロッパで主に使われている通貨のユーロを持つより、日本の円やアメリカのドルを持つ方が安心だと考える投資家が増えて、ユーロの価値が円やドルに対して下がる状態が続いたんだ。

けんた:なるほど。

熱血先生:その上2012年に入ってからは、アメリカの格付け会社が、ユーロを使っている国のうちフランスなど9カ国の国債の格下げをしたんだ。

けんた:国債の格下げの話は、以前「アメリカ国債格下げ」のことを教えてもらった時に出てきましたね。

熱血先生:そうだね。この格下げのニュースを受けて、ユーロを売って円やドルを買う動きがさらに加速したんだよ。

けんた:そういえば、以前「円高ドル安」のことを教えていただいたときに、輸出をしてもうけを出す立場の人にとっては円高になると不利だけど、反対に輸入をする時は有利に働くとのことでした。 今回の「円高ユーロ安」も同じことが言えるのですか?

熱血先生:その通りだよ。確かに日本はアメリカだけではなく、ヨーロッパにも半導体や精密機器、自動車などさまざまなものを輸出している。そういう会社は円高ユーロ安が進むと円に換算した時の売り上げは落ちてしまうね。逆に製品を輸入して販売している会社は安い価格で輸入できる分、利益も上がりやすい。

しょうこ:円高ユーロ安の恩恵を受けるのは、どんな会社ですか?

熱血先生:ヨーロッパが産地のワインを売る会社や、ヨーロッパの家具、婦人服や雑貨などを扱う会社、いろいろあるよ。こういった商品を扱う百貨店やインターネットの通販などは安く輸入できる分、値下げセールをするところもいくつか出てきている。旅行会社もヨーロッパ地域に向けたパックツアーの価格を下げているようだよ。

しょうこ:円高ドル安の時と同じで、悪いニュースばかりではなく、私たちに嬉しいこともあるのですね。

熱血先生:そうだね。でも今は、円高ドル安と同様に円高ユーロ安が進むと株価が下がる傾向にある。株価はこの先の経済がどうなるかを予想して動くものだから、多くの人は円高ドル安も円高ユーロ安も、日本経済にはマイナスだと考えているのだと思うよ。

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