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新型コロナウイルス感染症の影響で株主総会に変化

2020/06/24
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 けんた:例年、6月は上場会社などの株主総会が多く開かれる時期ですが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大の不安があり、開催する会社にはいろいろな工夫が求められているようですね。

 熱血先生:株主総会は、会社法で事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならないものとされており、多くの企業が決算後3ヶ月以内に開催している。
また、会社の経営を行う社長や取締役が、株主の前で会社の決算や経営状況・今後の方針を報告し、取締役の選任をはじめとする大切なことを決める場だよ。ただ、規模の大きな企業の場合、株主が全国に大勢いて、毎年会場に数千人規模で集まるため、今年は例年通りに開催できるのかが不安視されているんだ。

 しょうこ:新型コロナウイルスの感染症対策では「密閉、密集、密接」の3密を避けるように呼びかけられているので、会場に多くの人が集まる会は、ちょっと心配です。

 熱血先生:すでに5月に株主総会を実施した会社の中には、株主へ総会の案内(招集通知)を送る際に「来場自粛」を呼びかけることで会場への来場者数を制限する対応をしたり、来場者数が減ることを見込んで、総会会場を例年より小規模なところに変更したりしたようだ。

 けんた:来場者数が減っても、株主総会は問題なく実施できるのですか?

 熱血先生:会場へ株主を集める方法以外にもやり方はあるようだよ。例えば、実際に株主が足を運んで参加できる場を設けつつ、インターネットからでも参加できる「併用型」だ。株主は株主総会で会社が提案する議案、例えば、「新しく就任する取締役はこの人たちでいいですか」や「配当金はこの金額でいいですか」などに対し賛否の意思を表明するのだけど、この意思表示はネットからでもできるんだ。以前からこの方法は使われていたけど、新型コロナウイルス感染症の影響で、より積極的に活用されるようになったね。

 しょうこ:インターネットを使えば遠くに住んでいて、株主総会会場に足を運べない人も参加できますね。

 熱血先生:実施方法だけでなく、株主総会の開催時期についても従来通りとはいかなくなっているんだ。というのも、今回の新型コロナウイルス感染症対策では、自宅で仕事をするなどのリモートワークが求められているけど、会社によっては、ロックダウンなどの影響で事業所が封鎖された海外子会社などで決算作業が進んでいないことや、在宅勤務の増加などで毎年決まった時期に行う決算集計や監査作業が遅れるケースが出てきているんだ。この影響で「株主総会の延期」と「継続会の開催」という新たな措置を取る会社が今年は多くなりそうなんだ。

 けんた:延期は、文字どおり株主総会の開催時期を先に延ばすことですよね。継続会は聞いたことないなあ。

 熱血先生:法務省は2月に、今回の新型コロナウイルス感染症を受け、「株主総会が開催できない状況が解消されてから、『合理的な期間内に』開催すればよい」という解釈を示したようなんだ。だから例年は6月末に開催していた会社が、今年は7月以降に開催を延期するケースも出てきているよ。「継続会」は、一定の期間内に2度に分けて総会を開くやり方だよ。1回目は配当金や取締役の選任など、よりはやく決めるべき議案のみ採決を行い、2回目では、取りまとめに遅れが出ている決算や事業の報告を行うという段取りだ。

 しょうこ:新しい試みだからどんな影響が出るか分からないけど、問題なく進めばいいいですね。

 熱血先生:株主からは、総会開催が大幅に延期になって、株主への配当金の支払いが遅れることなどを心配する声も上がっていて、株主が受けるべきメリットを損なわないよう配慮しながらも、インターネットの技術など、よい面はどんどん取り入れられていくことを期待しているよ。
いずれにしても、こんな時だからこそ、投資家にきちんと説明する機会である株主総会は、とても重要だと思うよ。

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