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止まらない原油価格の大幅下落、背景になにがあるの?

2020/04/27
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 けんた:毎日新型コロナウイルスのニュースばかりですが、それに加えて原油の価格が下がっているニュースも経済の不安になるのではとお父さんが気にしていました。どうしてだろう?

 熱血先生:それは原油の価格と経済が深く関係しているからだよ。
ニュースであったとおり、原油の価格はこのところ下がり続けている。原油価格の代表的な指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物によると、2020年初めは1バレル(約159リットル)60ドルくらいで推移していたのが、3月に入って急落、一時は3分の1の20ドルを割り込み、さらに4月20日には史上初のマイナスとなったんだ。

 けんた:以前、先生に原油価格が変動するのは、原油を供給する人とそれを必要とする人のバランスが崩れるからと教えていただきました。つまり、供給が多くなり過ぎるか、需要が減り過ぎるかのどちらかになると、原油が余る状態になるから価格は下落することになりますよね。それにしても、価格がマイナスになるってどういうことなんですか?

 熱血先生:今回の下落を引き起こした主な要因は、まさに原油の需要と供給のバランスが崩れたことにあるんだ。まずは価格がマイナスになったことについて説明しよう。これは別の言い方をすると、売り手が買い手に「お金を支払うので原油を引き取ってください」ということなんだ。

 けんた:普通モノを売る人は買う人から代金をもらいますよね。なんだかとても変ですね。

 熱血先生:そうだね。というのも、ニュースによると、原油の在庫は相当余っていて、貯蔵施設が満杯になりそうらしい。そうなると生産者は生産をやめればいい、と思うかもしれない。けれど、実際はお金を払ってでも誰かに原油を引き取ってもらった方が、生産設備を閉鎖するよりは負担が少ないという場合もあるらしいんだ。そんな状況を見通したり、様々な思惑があったりして、原油価格が今後もっと下がるだろうと判断した投資家によって売りが殺到した結果、今回のマイナス価格という異常事態になったんだろうね。

 しょうこ:うーん難しいですね。でもそもそも、原油が余ってしまったのはなぜなんでしょう?

 熱血先生:そこには新型コロナウイルスの影響が大きく関係しているよ。中国をきっかけに世界中に感染が拡大したことによって、アメリカや中国、ヨーロッパなど世界中で経済活動がストップし、原油を使う量が大きく減少したんだ。つまり、需要が減ってしまったというわけだね。
一方、供給側はどうだったかというと、世界の有力な原油産出国のサウジアラビアとロシアが、シェア確保のために増産を行ったため、原油価格の下落に拍車をかけることになってしまったんだ。たださすがに4月に入って石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国は原油の生産量を減らす方向で合意したよ。でもその直後に史上初のマイナスの価格で取引が成立しているので、原油の価格の動向はこれからどうなるか不安が続くと思う。

 しょうこ:でも、原油価格が下がれば、車に乗るのに使うガソリンの価格も下がるということですよね?安くガソリンが買えて喜ぶ人もいるのではないでしょうか?

 熱血先生:確かにそのようなメリットもあるね。ガソリンの値下がりで助かる家計や燃料費など、コスト面で恩恵を受ける企業もあるだろうけど、原油価格が下がるのは、世界的には経済に元気がない時期という場合が多いんだ。世界全体の景気が悪くなっていくのであれば、日本の場合、特に輸出企業にマイナスに働いてしまい、結果的には良い影響はもたらさないことになってしまうよ。

 けんた:景気が悪くなってしまうのは困りますね。価格が上がるのはちょっと大変な印象があるけど、経済が活発になって僕たちの生活が豊かになる方が嬉しいです。

 しょうこ:今後も経済の動きを見るうえで、原油価格にも注目していく必要がありそうですね。

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