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最低賃金引き上げ加速の方針に

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 けんた:お父さんが、ニュースを見ながら「最低賃金」が上がるという話をしていたのですが、そもそも最低賃金ってどういうものなんですか?

 熱血先生:賃金は基本的には労働者を雇う使用者が決めるものなんだけど、国は「最低賃金制度」を設けて、最低賃金法に基づいて賃金の最低額を定めているよ。これは、労働者の生活の安定や、労働力の質的向上、またそれにより国民経済の健全な発展に寄与することを目的としているんだ。使用者は労働者に対して、必ず最低賃金以上の賃金を払わなければいけないことになっているんだ。

 しょうこ:最低賃金って、アルバイトも対象になるんですか?

 熱血先生:そうだよ。最低賃金制度は、正社員だけじゃなくて、パートタイム労働者、アルバイト、臨時社員や派遣社員など全ての労働者が対象だよ。
最低賃金の額は、都道府県ごとの地域別に定められている。あと、特定の産業を対象にした産業別にも定められているよ。賃金がこの金額に達していないと、使用者には罰則が与えられることになっている。仮に使用者が決めた安い賃金額に労働者が合意していたとしても、法律によって無効となってしまうんだ。

 しょうこ:最低賃金は都道府県ごとに定められているということですが、なんで地域によって違うんですか?

 熱血先生:最低賃金は、その地域の物価などの実情に合わせて話し合いを進めて決めることになっているんだ。例えば、東京都のように物価が高い地域もあればそうでない地域もあるよね。物価が違うと商品を売ったときの利益も異なるので、物価の低い地域の会社などは、物価の高い地域と同じ最低賃金にすると、人件費で利益を余計に圧迫することになってしまう。だから、地域ごとの実情に合わせて決めることになっているんだ。

 けんた:そうなんですね。では今回、どうして最低賃金を引き上げるんですか?

 熱血先生:政府はこれまでも毎年最低賃金を引き上げていたんだけど、今年6月にまとめた「経済財政運営の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」の中で、最低賃金の水準について早い時期に「全国平均で時給1,000円」を目指す、という目標を盛り込んでいたんだ。

 しょうこ:ええ、ニュースでも聞いたことがあります。

 熱血先生:この10月からは消費税増税が控えているけど、それによって消費が低迷してしまっては問題だよね。だから、政府としては、最低賃金を引き上げて労働者全体の所得を増やすことで消費を活発にしたいという狙いもあると思うよ。
政府の推計によると、2012年から18年に全国平均で最低賃金を125円引き上げたことで、パートタイム労働者の平均賃金が77円増え、労働者全体の所得を1兆2,200億円引き上げたようだ。それにより、消費を9,200億円喚起する効果があったと報道されているよ。

 しょうこ:それは大きな効果ですね。賃金が増えて経済が活発になるといいんですが。
 ところで政府が目標とする時給1,000円にはまだ届いていないようですが、目指すうえでの課題は何でしょうか?

 熱血先生:先日決まった2019年の金額で東京都は初めて時給1,000円の大台を超えたね。でも、地域によって金額に差があって、最も高い東京都と、低い鹿児島県では200円以上の開きがあるんだよ。今年は16年ぶりにこの差が1円縮まったようだけど、さっき話した地域ごとの実情以上に、地域間の賃金水準の格差が拡大すると、地方から労働力人口が流出することにもつながりかねないというのが今後の課題かな。

 しょうこ:賃金水準が上がるのは嬉しいニュースですが、地域で差が広がるのはよくないですね。

 熱血先生:その通りだね。地方の賃金水準も東京都に合わせて上がっていくような工夫が期待されるところだね。

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